2011年12月22日木曜日

メリクリ


 
 もうすぐクリスマスですね!
今年はサンタさんに『オーボエの腕前』をお願いしときました。
 
えっ?大人はダメ? 『永遠の17歳』ですから大丈夫ですよね!?

2011年11月24日木曜日

ブラームスはお好き?

来春の演奏会の曲目が決まりました。
 
 春はいつも『名曲コンサート』みたいな感じで、クラシックファンじゃなくてもどっかで聞いた事のある曲ばっかり演るんですが、メールで連絡が来た曲目の中に…

『ブラームス:交響曲第3番(第3楽章)』

え?なんすか?聴いたコト無いんすけど…
聴けば判るかと思い You Tube で検索してみましたが、やっぱり知りません…
 
 まぁ、ネットで調べてこの曲が選ばれた理由はすぐに分かりました。
これって映画『さよならをもう一度』(原作フランソワーズ・サガン『ブラームスはお好き』)に使われてるんですね!公開の年を見ると1961年、そりゃあ知らんわ!という感じですが、同じ生まれる前の映画音楽でも『エデンの東』とかは知ってる訳で…「ブラームスはお好き」っていうフレーズは知ってましたが、音楽はそれほどメジャーにはなってないようです。
 
 冒頭のVcから始まるせつないメロディーは、楽器を変えて何度も繰り返されるんですが、HrとObに<どソロ>が出てきます。譜面ヅラは大したコトない感じですが、Obで吹くと結構難易度高いです。

ここがOb<どソロ>の部分。たった12小節そこらですが…
 
 
 さて、ブラームスは過去に1番と4番を演ってて小人的には好きな作曲家なんですが、それはあくまでもFgでの話。今、誰かに「ブラームスはお好きですか?」と聞かれたら、「はい、好きですが苦手です…」と答えると思います(笑)

2011年11月20日日曜日

アンリュウ・リコーダー・フェスティバル

今日はタケヤマさんの催しへ行ってきました。午後からはオケの練習があるので、開店時間に着くように狙って出発!
 

 
 タケヤマさんへは南海電車でも行けるんですが、小人は路面電車に乗りたくていつも恵比須町から阪堺電車で行きます。運が良ければこんなレトロな電車に当たる事も…。今日乗ったこの電車は何と昭和5年製!文化財級(?)の車輌がフツーに走ってるところがスゴいです!
 
 

 我孫子道駅で降りて少し歩くとアンリュウ・リコーダーギャラリーに到着。『世界のタケヤマ』はフツーの商店街の中にあります。
 
 
 
 まずは楽譜を物色。最近リコーダーアンサンブルがネタ切れ気味なので、トリオとカルテットの楽譜を1冊づつ購入。
 
 もちろん楽器も吹きまくってきました!…と言いたいところですが、実は朝から何のアレルギーかクシャミが止まらず、あまり「吹きまくるゾー!」という体調ではなかったんです。…と言いつつも目ぼしいところはしっかり吹かせていただきましたが…(笑) 今日吹いた中で印象に残ったのは平尾工房のテイバーパイプとキュングの低音管ですかね。
 
 テイバーパイプは太鼓を叩きながら片手で吹くための3穴の笛で、本やマンロウ氏の録音で知識としてはありましたが、実物は初めて見ました!まぁ、踊りの伴奏する機会は無さげなんで買いませんけど…
 
 キュングのCグレートバスとFサブバス、いい楽器ですね~!すごく良く鳴るし吹き良いです。低音管はなかなか試奏できないのでヤマハ・全音・ペッツォルトぐらいしか吹いた事ありませんが、その中ではキュングが1番ですね。まぁ、これも使う当てがないので買いませんけど…

 
 
 
 大して買い物もしてないんですが、来店記念のくじを頂きました!CD当たらへんかな~!?

2011年11月16日水曜日

水景園コンサート

先週の土曜日は後輩が出演するコンサートを聴きに、けいはんな記念公園の水景園というところへ行ってきました。



 この公園は大阪の人間には馴染みが薄いんですが、京都府精華町の関西文化学術研究都市というところにあります…と言われてもやっぱりピンとこないんですが、事業仕分けで無駄の象徴として一躍有名になった『私のしごと館』の廃墟(?)が向かいにあって、「あぁ、ここかぁ…」っていう感じでした(笑)



 ここには紅葉谷という紅葉の名所があってシーズンにはライトアップされるようです。写真のような雰囲気のある景色を楽しませていただきました。演奏会はこの期間のイベントのひとつで、入園料を払えば無料で聴ける公演でした。
 
 演奏会はほぼ満席で盛況だったんですが、公園内の休憩施設のロビーで行われた演奏会なので、演奏中に客席の通路を通り抜ける人がたくさん居て、「聴きたい人」「通りたい人」お互いに気まずい感じでした。主催者の方でもう少し気を遣ってもらえるとイイんですけどね。あとスタッフが演奏中に動き回って写真を撮りまくってたのも気になりましたね。
 
 演奏自体は親しみのある曲を集めたプログラムで聴いてて楽しかったです。又クラ吹きたくなってしまいました。来年の高校のOBステージ、クラで出っかな!?

2011年11月7日月曜日

リベンジ作戦始動!

定演の打ち上げでのこと…
 
  小人「春のコンサートなんですけど、(パート)どうしましょうかねぇ?」
  役員「ん~、やっぱりオーボエかな…」

そんな感じで、次の演奏会はオーボエで乗る事になりました。
『居らんよりはマシ』という面子上の話だとは判ってますが、理由はどうあれリベンジの機会が与えられた訳で…v(^-^)


まずは例によってeBayでリードを調達。前回の本番で使用したアメリカのショップから1ランク上のリードを購入したんですが…ケーンの弾力が強いのか、開き過ぎでそのままでは吹けない状態。




慌てて梅田のドルチェ楽器さんへワイヤーを買いに走り、リードに巻いて開きが調整できるようにしました。これで何とか鳴るようにはなりましたが、まだまだ絶好調には遠い感じ…(-_-;




まずはここからスタート!たくさん入っていますが、使い物になるのはまだ右側の4本だけです。ちなみに現在のエースは右から4本目(前回、韓国から来たもの)。少し重いんですが、音色とピッチが非常に安定しています。


<おまけ>


あるオケの関係者の方に「次はオーボエで乗る」とメールしたところ、『汗だくの』お返事を頂きました…

今回は足を引っ張らないように、頑張って練習しときます…(^-^;ゞ



2011年11月5日土曜日

幻のファゴット(?)

 今日は管楽器修理センターさんで開催中の『Jマイケル管楽器展示即売会』へ行ってきました。別に何買う訳じゃないんですけど、面白そうだったんで…(笑)


 一通りの種類が在庫されていて「試奏したい」と言えば出してもらえるんですが、小人の狙い目はもちろんこれ!
 
 「え?マイケルにファゴットなんてあったっけ?」って思った方は大正解!実はマイケルのファゴットは日本では発売されておらず、日本語版のHPにもカタログにも載っていないんです。つまり日本ではある意味、幻のファゴットな訳ですね。
 

 
よく見比べると他にもエーラークラリネット、 バリトン、マーチングブラスなどが日本語版カタログには載ってません。日本じゃ売れないものとかあるんでしょうね…(笑)

吹いてみた感想ですが、「このランクでは非常に良い楽器!」
まずはパワーがあります。特に中~低音域の音量は申し分ないですね(ただ今回試奏した個体は、調整不足なのかEより下が充分に鳴りませんでした)。
 またキーが肉厚で組み立てもきっちりしていてグラグラが無く、ちゃんとしたものを作れる工場の製品のようです。一部の音でピッチにクセがある感じがしましたが、これは慣れの問題かもしれません。
 たった一つ残念だったのはベルリングの色が超安っぽい白色でした。乳白にすればいいのに…
 
 
  こちらはCello & Coo のfg-6(以前、試奏させてもらった時の写真)。マイケルのファゴットを購入するなら比較検討対象になる機種ですね。
 
 
こちらも小人のfg-2と比べると格段に良く鳴る楽器なんですが、パワーではマイケルが1枚上かもしれません。
 
 パワー重視ならマイケル、バランス重視ならチェロクー、ですかね…!?
 
 

2011年10月30日日曜日

国民文化祭・京都2011

 今日は後輩が出演するというので、京都府・長岡京市まで『オーケストラの祭典』という演奏会を聴きに行きました。

駅ではPR隊長の「まゆまろ」がお出迎え。
お祭りムードを盛り上げてマス!
今、京都で開催されている国民文化祭の催しの一つで、今回の為に編成された学生合同オケと一般(社会人)合同オケの演奏会です。


街なかにもこんなフラッグが一杯…
国民文化祭は国体(国民体育大会)と同じように毎年都道府県の持ち回りで開催されており、今年は26回目なんだそうです。恥ずかしながら後輩に教えてもらうまで、その存在すら知りませんでした…(汗)

会場の長岡京記念文化会館

会場は長岡京記念文化会館。K交響楽団の定演(2009年7月25日投稿)以来ですから2年以上開いてますね。ちなみに小人は学生の頃「長岡京市民ジャズオーケストラ」という楽団で吹いていたので市の行事(成人式とか)で色々な所で演奏させてもらいましたが、当時この会館はまだ無かったので残念ながらここの舞台には乗った事がありません。


一般オケのステージの様子。倍管編成ですね。
ホルンが5名×2段の10名で『壁』になってました(笑)

演奏会はすごい人数で大迫力でした!一発オケとは言っても、京都のアマオケ数団体からコアになるメンバーを選出して練習を重ねてきたとの事で、非常にまとまった音になってました。

演目は学生オケがフィンランディアとベト7、一般オケがドリーブのシルヴィア組曲とフランクの交響曲でした。う~ん、前プロはともかく、メインはせっかくの大編成を活かしたもっと派手な選曲でも良かったのでは?と思ってしまいます。今どき倍管のベト7も有り得ないですし、ボーン6人・チューバ2人はメイン出られなくて可哀想でした…メインプロで最上段に空席がズラリって…(-_-;



【おまけ】
会場の入口脇でお茶席をやってたんですが、お抹茶をいただいたらお菓子が「まゆまろ」でした!国文祭、めっちゃ気合い入ってますね(笑)

食べるのが勿体無い位カワイイんですが、結局頭からプスリと…

2011年10月3日月曜日

終了…

 昨日の日曜日はオケの定期演奏会でした。
聴きに来ていただいた皆様、ありがとうござました!そして出演者及び関係者の皆様、どうもお疲れ様でした!
 

今回は大ホールでなく、小ホールでした
 
 今回は中プロがフォーレなのにかこつけて全曲バソンで乗りました。客席で聴いてくれた友人によると明らかに普通のオケとは違う響きがしてたとのことで、バソンを使った値打ちはあったようです。
 
 ただ、本番では何てことない音を思いっきり外したり、出るはずの音が出なかったり、ファゴットと比べて『怖い楽器やなぁ~』と思ったのも確かです。去年の「吹ききった感」と比べて不満の残る演奏になってしまいました(汗)
 
 『バソンよりファゴットの方が扱いやすいから今後はファゴットを吹こう!』って、それじゃ音楽史の後追いですね…(笑)
 
 

2011年9月22日木曜日

説明(その5)

『なお、バッソンは音量があまり大きくないことから、ベルリオーズのように1パートに2本重ねて4管として使われることが多い。時折フランス系の作曲家のオーケストラ曲の編成で、ファゴット/バッソンのみ本数が多いことがあるのはそのためであるといわれる。』
引用元「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2011年8月14日 (日) 04:52 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org
 もっともらしい事書いてますが、この部分もファゴットや音楽の歴史に関する視点がまるっきり抜け落ちていますね…(=_=;)
 
①「ベルリオーズのように」とは、おそらく『幻想交響曲』や『イタリアのハロルド』なんかの事を指しているんだと思うんですが、これらの曲が書かれた1830年代に使われていたのはクラシカルファゴット(ドイツ式・フランス式になる前のもの)だという重要な事実を見落としています。
当時のファゴットに音量が無かった証明にはなっても、フランス式云々の証明にはなり得ません。
 
②ドビュッシー、フォーレ、サンサーンスなど、バソン普及後のフランス系の作曲家を見ても普通に2管で書いてますけどね。『4管として使われることが多い』と書きながら次の文章で『時折~ことがある』と思いっきりトーンダウンしていますし…ホントに『多い』と言えるんでしょうか?…っていうか、ベルリオーズ的な用例って他に何がありましたっけ???(ホルン的に4声部で書かれた曲はあったと思いますが…)
 
③一応、ご本人の意見も聞いておきましょう(笑)
『The bassoon is ordinarily written for in two parts; but large orchestras being always provided with four bassoons, it can then be without inconvenience written for in four real parts; or , still better, in three - the lowest part being doubled an octave below, to strengthen the bass.』
引用元:Hector Berlioz "A Treatise on Modern instrumentation and Orchestration", p.101

『バスーンは通常2声部で書かれる、しかし常にバスーンが4本揃っている大きなオーケストラなら不自由なく4声部で書くことができるし、3声部で書いて一番下のパートをオクターブ下で重ねて低音を強化するのも良い。』(小人訳)

う~ん、言ってる事と書いてる曲が違い過ぎて困るんですけどぉ~
ただ「音量が小さいから倍管で」と書いてないのは、<自分の書き方は特別だ>という認識があるんでしょう…
 
④「フランス式」という名称にダマされがちですが、20世紀初頭までフランス式の楽器は広くヨーロッパで使われていました。
『フランスとスペインとイタリアではビュッフェ式が標準となっている』
『イギリスはほとんど1世紀の間フランス式を使っていた国である』
引用元:ベインズ「木管楽器とその歴史」p.167、奥田恵二訳、音楽之友社
 
…であればイタリアやスペインやイギリスの作曲家にも同様の作例がないとダメですよね…
 
 
ベルリオーズ 幻想交響曲 第4楽章「断頭台への行進」
バーンスタイン - フランス国立管弦楽団

  
  
『なお、ティンパニーは音量があまり大きくないことから、
ベルリオーズのように2セット重ねて使われることが多い』

 
さあ皆さん、つっこみポイントですよっ!?
 
 

2011年9月18日日曜日

説明(その4)

『ただ、単にキーシステムの違いというよりも奏法における違いが甚だしく、プロの奏者にとっても、実際上は全く別個の楽器と意識されているようである。』
引用元「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2011年8月14日 (日) 04:52 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org
 
 この部分はおそらく「のだめ」の影響ですね…(笑) 奏法における「甚だしい違い」が何なのか全く説明がありませんし、そもそも奏法の違いは楽器の違いじゃありません。
 
 アラール先生の教則本によると…

  ①リードは浅めにくわえ、唇をあまり巻き込まない
  ②アタックの強い音を出す
  ③ヴィヴラートを口(唇)でかける
 
辺りが特徴と言えると思うんですが、それはあくまでも<フランス流>であって、フランス式の楽器のみに適用される【甚だしく特殊な】奏法ではありません。フルートなんかでもフランスとドイツでは吹き方が違いますよね…


アタックの強い音って、こんな形…
( Maurice Allard "Methode de basson" p.5 )

 百歩譲って「プロの<奏者>が別個の楽器と意識してる」として、一方で「プロの<作・編曲者>が全く区別していない」事も書くべきでしょうね。聴く時も然り。CDで「フランス式の楽器を使用しています」なんて注釈は見た事がありません。吹く側にすれば運指が違うのは大変な事なんですが、書く方・聴く方にとっては案外どうでもいい事なのかもしれません…(^^;ゞ
 
 ちなみにwiki 英語版には「別個の楽器云々」といった説明は無く、逆に「両方をマスターして曲目によって使い分ける奏者がいる」事を紹介しています。小人もかくありたいと思いますが、残念ながら楽器2本担いで練習場に行く体力がありません…
 
 

2011年9月17日土曜日

説明(その3)

『音色がホルンに近く表現がより豊かであるとされる。』
引用元:「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2011年8月14日 (日) 04:52 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org
 
 前回の投稿で紹介したアラール先生の演奏を聴いて「ホルンみたいな音するな~」と思う人、いませんよね!? 「サックスに似てる」と言われれば同意しますけど…
 
 
 ダメ押しでもう一例紹介しておきます。同じ曲をヘッケル(ドイツ式)とビュッフェ(フランス式)で吹き比べている動画です。
 
①ヘッケルによる演奏

 
 
②ビュッフェによる演奏

 
 
 このように一度でもフランス式を聴けば『音色がホルンに近い』なんて絶対に書けないんですが、ではどこからホルンの話が出てきたんでしょうか?「もしかしてこれが原因かぁ?」という文章を見つけました。
 
『The conductor John Foulds lamented in 1934 the dominance of the Heckel-style bassoon, considering them too homogeneous in sound with the horn.』
引用元:"Bassoon" from Wikipedia, the free encyclopedia, modified on 29 August 2011 at 00:50
 
 英語版の中にこの一文が出てくるんですが、これを誤読して日本語版に入れてしまったのではないでしょうか?この部分、訳としては…
 
『1934年、指揮者のジョン・フォールズはヘッケル式ファゴットの音色がホルンと似すぎていると考え、その普及を嘆いた。』 (小人訳)
 
…となりますので、ホルンに近いと言ってるのは、実はフランス式ではなくドイツ式の方なんですけどね。最近のドイツ式ファゴットはダークで硬めの音色ですが、昔の東欧系の楽器は柔らかい音色でホルンっぽい感じがしますよね。余談ですが、小人が愛用しているCello & Coo のFg-2 はヒューラー(旧・東ドイツ)のコピーなので、ホルンと良く融ける音色を持っています。
 
 表現がより豊かかどうかは主観的な話で意見が分かれると思いますが、フランス式はドイツ式と比べて高音域が痩せないので「メロディーをヴィヴラートたっぷりに吹くと結構気持ちイイ」ってのはありますね(笑)
 
 

2011年9月16日金曜日

説明(その2)

『機構が単純であるため、音程が取りにくいなどの難点もあるが…』
引用元:「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2011年8月14日 (日) 04:52 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org
 
 『機構が単純』というのは間違っていません。フランス式にはドイツ式のように「3つの穴を1つのカップで塞ぐ」とか「胴体を貫通する連結棒で反対側の穴を塞ぐ」といった凝った造りはありませんからね。『音程が取りにくい』のも運指がドイツ式に比べて複雑なので同意します。
 
 …なら間違ってないやん?と言われそうですが、実はこの表記にはファゴットの歴史に関する視点が全く欠落しているんです。
 
 ファゴットはその祖先の楽器からバロック~クラシカルと少しずつ進化してきましたが、フランス式の楽器はこの<少しずつ進化>の延長線上にある楽器です。一方、ドイツ式の楽器はアルメンレーダーとヘッケルによって従来のファゴットを<革命的にリフォーム>した結果出来上がった楽器です。つまり「音程を取り易く(運指を簡単に)する為に、構造を複雑にした」のがドイツ式なのであって、表現が逆なんですね。
 
モーツァルト:バソン協奏曲K.191(バソン独奏:モーリス・アラール)

 
 アラール先生のような名手の演奏を聴くと、『音程が取りにくい』っていうのはあくまでもドイツ式との相対的な話であって言い訳の材料にはならんなぁ、と思います…(汗)
 
 

2011年9月14日水曜日

説明(その1)

それでは前回指摘したwiki のバッソンに関する記述がいかに間違っているかを説明させていただきます。言いたい事がたくさんありすぎて、多分シリーズになると思います(笑)
 
 
『現在多く用いられているのはドイツ式の楽器であるが、フランス式の楽器もあり、フレンチ・バッソンまたはバッソンと呼ぶ』

 
 
 項目【種類】はこの文章からはじまります。ここでドイツ式/フランス式の違いについて説明しているんですが、次項【呼称】においても両方式についての呼び方を紹介し、前項で紹介した呼び名を『呼称による区別はあくまでも日本語内での事』と自分で否定しています。そしてどうでもいい英語のスラングを紹介する為だけに、更に【呼称に関する諸注意】という別項目を作っています(しかも“諸”注意と書きながら1点だけだし…)。
 
 これだけでもいかに内容が整理されていないかご理解いただけると思うんですが、まず最初の間違いを指摘しましょう。フランス式の楽器の呼び方を「フレンチ(英語)」+「バッソン(仏語)」と書いていますが、これはダメでしょう!?
 
 確かにそう呼ぶ人もいますが、百科事典的には「それは正しくない」と指摘すべきです。「フレンチ(英語)・バスーン(英語)」か「バッソン(仏語)・フランセ(仏語)」としなくてはいけません。もちろん独語で「フランツェージッシュ・ファゴット」、伊語で「ファゴット・フランチェーゼ」と言うのもアリだと思いますよ(笑)

引用元「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2011年8月14日 (日) 04:52 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org

2011年9月4日日曜日

そして都市伝説に…

 世間一般ではマイナーなファゴット、その中でも更にマイナーなフランス式の楽器なんぞを吹いてみて分かった事…
 
「誰かが間違った事を言っても、訂正する人が居ないと
いつの間にかそれが<事実>になってしまう」
 
 例えばwikipediaで『ファゴット』の項目を見てみましょう。
『フルート』や『クラリネット』などの項目と比べ、歴史に関する記述が欠けていたり項目が整理できてなかったりで全体的にグダグダな感じがしますが、特に面白いのが【種類】の項。少し長いですが引用してみましょう。

『現在多く用いられているのはドイツ式の楽器であるが、フランス式の楽器もあり、フレンチ・バッソンまたはバッソンと呼ぶ。機構が単純であるため、音程が取りにくいなどの難点もあるが、音色がホルンに近く表現がより豊かであるとされる。ただ、単にキーシステムの違いというよりも奏法における違いが甚だしく、プロの奏者にとっても、実際上は全く別個の楽器と意識されているようである。なお、バッソンは音量があまり大きくないことから、ベルリオーズのように1パートに2本重ねて4管として使われることが多い。時折フランス系の作曲家のオーケストラ曲の編成で、ファゴット/バッソンのみ本数が多いことがあるのはそのためであるといわれる。』
「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2011年8月14日(日) 04:52UTC、URL: http://ja.wikipedia.org/


 実はこの部分の内容、ほぼ間違ってます。それを知ってか知らずか、「~とされる」「~ようである」「~といわれる」と、ここだけ伝聞調で書かれています(百科事典としては有り得ないですね)。自信無いなら書かなきゃイイのに…(笑)

ただ、その後誰も編集(訂正)しないので、この内容のままで引用されているのをよく見かけます。
  ・「機構が単純で音程が取りにくい」
  ・「音色がホルンに近い」
  ・「奏法の違いが甚だしく、プロ奏者は別個の楽器と意識している」
  ・「音量が小さいのでフランスでは時折倍管で使われる(ベルリオーズの例)」
といった事が書かれていれば、ソースはwikiと考えてほぼ間違いないでしょう。
 
特にソースを明示せずに転載されている例を一つだけ挙げておきましょう。


 こうやって色んな人がどんどん転載してゆくうちに、間違った知識が【常識】になるんでしょうね。ここまでくると、もはや都市伝説と呼んでもいいかもしれません…(笑)
 
 長くなりましたので、個々の説明は改めて…
 
 

2011年8月15日月曜日

これは便利!

 楽器屋さんで、こんなファイルを見つけました。その名も『バンドファイル』。
 
見た目はフツーのファイルですが… 
 
  
楽譜を入れるとこんな感じ
 
 
 よくあるポケットファイルと違い「ファイルした楽譜に書き込みができる」というのがウリの優れモノです!上下数センチで楽譜を挟み込むのでそれ以外の部分は露出してるワケですね。なるほど~これはグッドアイディアです。
 
 
 製品としては大分前からあるみたいですが、全然知りませんでした。毎回、演奏会の度にパートブックを『工作』してたのがバカみたいです(笑)
 
 
 そんな訳で、早速オケの練習に持って行ったんですが…鉛筆忘れて書き込みできませんでした(^^;ゞ
 
 

2011年7月25日月曜日

目からウロコ!!!

 バソンにプチ改造を施してC#が鳴るようにした話を以前書きましたが、実は問題がこれで全て解決した訳ではありませんでした。この改造はあくまでもC#を押した時にウィスパーが連動するようにしただけで、『ウィスパーとC#を左手小指で操作する』という事については何ら変わってないんで、動きが速いと小指が追いつかないんです…(汗)
 


 例えば、今秋のお題「ハイドン交響曲101番」では4楽章にこんな部分があります。標準の運指を下に書いてみましたが、2/2拍子のヴィヴァーチェでこの左手小指(赤字で表示)の動きはムリですよね。いったいどうやって吹けばイイんでしょうか?

 「やっぱりバソンでは無理かぁ…」と諦めかけてたんですが、IDRSのサイトを見ていて【替え指】がある事を発見しました!



 おおっ!こんな指でC#が鳴るとは!さっそく試してみると…
吹き伸ばすと音程フラフラで使いものになりませんが、速いパッセージなら<それなりに>聴こえます。しかも小指はウィスパー押さえっぱなしでイイので楽勝です。
v(^-^)

上の楽譜と赤字の部分を比べてみて下さい


 リコーダーを吹く時は替え指は当たり前なのに、バソンを吹く時にはあまり考えてませんでしたね。なんか目からウロコが落ちた感じです…(笑)


いけそうな気がしてきました!
 
 

2011年7月23日土曜日

SHUさんのイラスト2

 その後またまた、イベントでSHUさんにお目にかかりました。今度は『ネタもの』ではなく、オリジナルのイラストで音楽系のものをチョイスさせてもらいました。


 で、例によって袋にイラストを描いていただいたんですが…

 何も言わずに又ファゴットのイラストを…覚えていただいてたなんて光栄です!これはかなり嬉しいですね(^-^)

 しかも驚いたことに前回と比べて楽器の構えが正しくなってる…なんでも前に描いた後に自分で納得いかなくて調べたんだとか…さすがはプロフェッショナル!向上心に頭が下がります。

 ありがとうございました!大事に飾っときますね。

2011年7月7日木曜日

SHUさんのイラスト

 先日某所でイラストレーター・SHU matsukura さんという方がオリジナルグッズを販売されていました。楽器をデザインしたポストカードが可愛いかったんですが、他にもアニメネタで面白い(しかもかなりマニアック)ものが…(笑)

 「楽器やってるんです」とか 「マニアックなネタですよね~」みたいな話を色々しながらポストカードを選んでたんですが、ポストカードを入れる袋にその場でイラストを描いていただきました!





 それがこのイラスト。「すいません、これが私の知識の限界です」なんて言いながら描いて下さったんですが、ちゃんとベルリングもボーカルも付いてて、ファゴ吹きとしては御の字です(笑)

こういうのを描いてもらえると、ちょっと嬉しいですね。大事にします! (^-^)


2011年7月3日日曜日

バソン用リードケース

 アルファさんでバソン用の完成リードを買ってきました。買ってきたのはいいんですが、ちょいと困ったことが…実はバソンのリードってファゴットのリードよりかなり大きいので、普通に売っているファゴット用のリードケースには入らないんです。




左2本がバソン用リード。決してコントラ用ではありません!



  前に買った時はリードのお尻の方を詰めたりして無理矢理ファゴット用のリードケースに入れていたんですが、今回本数も増えたのでケースを自作してみることにしました。リードが傷まなければいいので、手持ちの材料で簡単に作ってみました。



サイズの都合で4本入りです



 嫁さんの『コレクション』から適当な大きさのプラケースをもらい、スポンジを両面テープで貼り付けただけです。製作総時間20分、我ながら上手く出来たなぁ~とは思うんですが、問題がひとつ…



バソン用なので「ボンジュール・リラックマ」なんですが…


おぢさんが使うにはちとイタい柄かも…気にしない、気にしない(笑)



2011年6月26日日曜日

こりゃ楽しい!

 今日は『音楽の祭日2011 in みんぱく』という行事に参加してきました。

 メイン会場であるホールと、博物館の展示フロアでそれぞれ30分程度演奏させていただきました。曲順を間違えてやり直すという、とんでもないミスはありましたが、まあまあの演奏ができたと思います。
 特に展示フロアの方では楽器や音楽の特徴を解説しながら演奏したんですが、非常に熱心に聴いていただいた上に手拍子で盛り上がっていただいたりして、演る側も非常に楽しい経験をさせていただきました!
 


 

 参加してみて分かったんですが、このイベントは年齢とか技量とか関係無しに、本当に音楽が好きな人が集まってやってるんですね。スタッフさんもめっちゃ楽しそうでしたし…(笑)控室なんかでも知らない同士でも楽器談義に花が咲いたりして、とってもアットホームな雰囲気でした。

 控室ってそんな雰囲気だったので、面白い「事件」もありました!
控室は大きな部屋で、出演待ちのグループが各自勝手に音出しとかしてたんですね。そこで小人もウォーミングアップのつもりで「ピタゴラスイッチ」をリコーダーで吹き始めたんですが、その途端、周りの音が全て止まったんです!

「あちゃ~、聴かれてるわ…(汗)」と思いながらも最後まで吹き切ると、なんと皆様から拍手が!思わずお辞儀をしてしまいました(笑)
 
 
 「やっぱ『ピタゴラ~』はツカミには最高やなぁ」と思って本番でも吹いてみたんですが、こちらでは全くウケずで…まだまだ修行が足りないようです…(^^;ゞ

 

 

2011年6月23日木曜日

御礼 m(_ _)m

2008年8月2日にぼちぼち書き出したこのブログですが、本日めでたくカウンタが10,000に達しました。ご覧頂いている皆様、どうもありがとうございます!

これからもぼちぼち書いていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます
m(_ _)m
 
 

2011年6月22日水曜日

ロー・ホイッスル!

 今日は本番前の最後の練習だったんですが、化け猫さんに新たに「ロー・ホイッスル」なるものをお借りしました。普通のホイッスル(D管・写真下)より1オクターブ低い楽器です。ソプラノ・リコーダーに対するテナー・リコーダーですね。

 こんなデカいホイッスルは初めて見ました!吹いてみると指穴も大きく幅も広いので、テナー・リコーダーぐらいのツラさです。
 
 この楽器の面白いところは吹き口が2種類あって、付け替えるとホイッスルがフルートに大変身するんです!



 
 吹き口をフルート型に替えると、トラヴェルソとほぼ同じものに…(本当は「キー無しのアイリッシュ・フルート」又は「ルネッサンス・フルート」と同様、と言うべきなんでしょうが持ってないモンで…) オモロいので、本番で使ってみようと思います!








【 今回出演予定の笛たち(写真上より)】

1.トラヴェルソフルート(Aulos・プラ管)

2.ロー・ホイッスル/フルート(dixon・アルミ管)

3.ソプラノ・リコーダー(Mollenhauer・プラ管)

4.ソプラノ・リコーダー(Mollenhauer・木管)

5.ティン・ホイッスル(dixon・真鍮管)

2011年6月20日月曜日

メイン変更

 秋の定演のメインはベートーベンの8番の予定だったんですが、諸般の事情でハイドンの101番「時計」に変更になりました。う~ん、曲名は聞いたコトあるけどなぁ…例によってネットで楽譜と音源を漁ってお勉強です!
 
 
 第2楽章を聴いて『あぁ、これかぁ!』なんですが、全楽章聴いてみると…これ、アマオケで演るにはかなり難しいですね(特に弦)。

 ファゴットは第1楽章と第4楽章に早いパッセージがいっぱい出てきますが、全部低弦とユニゾンなので「ズレるとすぐバレるけど、ちゃんと吹くと弦がカブって聞こえない」という、古典にありがちな不毛なパターンですね…(=_=;)
 
 古典…、決して嫌いではないんですが、「あぁ、やっぱブラームスって美味しいなぁ~」って思っちゃいますね…(笑)
 
 

2011年6月17日金曜日

付け焼刃…

 いよいよ『音楽の祭日』の本番が近付いてきました。本番ではリコーダーをメインで吹こうと思ってたんですが、せっかくアイリッシュなんで、化け猫さんにティン・ホイッスルを貸していただきました。

最近はCDとか付いてて楽しいです!
 
 
 ティン・ホイッスルは今まで吹いた事が無かったんですが、トラヴェルソの指使いで吹くリコーダーと思えば音は簡単に出ます。この楽器の技術的な問題はたった1つ…
 
『 全部、指で吹く! 』 
 
 ティン・ホイッスルに限らずアイリッシュの管楽器は基本的にタンギングで音を切りません(バグパイプみたいな感じです)。同じ音が連続する時も息は流しっぱなしで指で(装飾音を入れる事で)切るんですが、管楽器は息の流れが切れないとブレスを取れないので、しんどいしんどい!バグパイプやフィドル、アコーディオンなんかだとラクチンなんでしょうけどねぇ…(汗)
 
 ただ、この装飾音てんこ盛りの吹き方をすると一気にアイリッシュっぽくなってきます!もちろん「ぽい」だけで、アイリッシュ魂のかけらも理解してない付け焼刃の「なんちゃってウィスラー」なんですが、極東の素人のお遊びということでアイルランドの皆様にはお目こぼしいただきたいと思ってマス…(笑)
 
 
ロシア人も練習中! by キレネンコ
 
 

2011年6月7日火曜日

そんなんでエエんですか…?

 先日、家族で外食に行った時にとんでもないものを見てしまいました!

 そのお店は和食のバイキング屋さんなんですが、その日は『韓国フェア』開催中という事でいつもと違うメニューが登場してました。テーブルにはこんな説明書きが…

あれあれぇ?なんじゃ、こりゃ!?
メニュー名の横に書いてあるハングルが無茶苦茶です…(^^;ゞ


解説しますと
誰かチェックする人、居なかったんですかねぇ…(=_=;)


さらに料理を見てぶっ飛びました!
タピオカミルクって韓国料理だったのか…


「トマトのショートケーキ」や「はちみつレモンの
ロールケーキ」も韓国料理だったのか!


 ハングルの間違いはご愛嬌としても、タピオカやショートケーキは誰が見てもムリがあると思うんですが…こんな企画が通ってしまうお店って、結構ヤバい状況なんでは…?



2011年6月2日木曜日

キモチの良い場所で…

 今年も音楽の祝日の季節ですね。昨年ご出演の化け猫さんから「今年は一緒に演りましょう!」とお誘いをいただきました。『喜んで~!』という訳で、『いつもの練習場所』へ音合わせに行ってきました。



こんなのがある、デカい公園で練習しました!


リコーダーってチェンバロやギターなんかと良く合うんですが、ダルシマーも一緒に演っててキモチ良かったです。アイリッシュはバロックなどとは全く違う吹き方が要求されるので苦労しましたが『まぁ~何とかな~』ぐらいには出来てたと思います。



ダルシマーとの合奏も楽しかったんですが、こんなに緑の多いキモチの良い場所で吹きまくれたのが良かったです…