2011年9月17日土曜日

説明(その3)

『音色がホルンに近く表現がより豊かであるとされる。』
引用元:「ファゴット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2011年8月14日 (日) 04:52 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org
 
 前回の投稿で紹介したアラール先生の演奏を聴いて「ホルンみたいな音するな~」と思う人、いませんよね!? 「サックスに似てる」と言われれば同意しますけど…
 
 
 ダメ押しでもう一例紹介しておきます。同じ曲をヘッケル(ドイツ式)とビュッフェ(フランス式)で吹き比べている動画です。
 
①ヘッケルによる演奏

 
 
②ビュッフェによる演奏

 
 
 このように一度でもフランス式を聴けば『音色がホルンに近い』なんて絶対に書けないんですが、ではどこからホルンの話が出てきたんでしょうか?「もしかしてこれが原因かぁ?」という文章を見つけました。
 
『The conductor John Foulds lamented in 1934 the dominance of the Heckel-style bassoon, considering them too homogeneous in sound with the horn.』
引用元:"Bassoon" from Wikipedia, the free encyclopedia, modified on 29 August 2011 at 00:50
 
 英語版の中にこの一文が出てくるんですが、これを誤読して日本語版に入れてしまったのではないでしょうか?この部分、訳としては…
 
『1934年、指揮者のジョン・フォールズはヘッケル式ファゴットの音色がホルンと似すぎていると考え、その普及を嘆いた。』 (小人訳)
 
…となりますので、ホルンに近いと言ってるのは、実はフランス式ではなくドイツ式の方なんですけどね。最近のドイツ式ファゴットはダークで硬めの音色ですが、昔の東欧系の楽器は柔らかい音色でホルンっぽい感じがしますよね。余談ですが、小人が愛用しているCello & Coo のFg-2 はヒューラー(旧・東ドイツ)のコピーなので、ホルンと良く融ける音色を持っています。
 
 表現がより豊かかどうかは主観的な話で意見が分かれると思いますが、フランス式はドイツ式と比べて高音域が痩せないので「メロディーをヴィヴラートたっぷりに吹くと結構気持ちイイ」ってのはありますね(笑)
 
 

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