2016年7月22日金曜日

日本語って難しい…

 先日、ひょんなことから古本屋に行く機会があり、柄にもなくコミックスなんぞを買ってしまいました(^o^;


 はい、「のだめカンタービレ」です。例のバソンのエピソードが載っている部分が欲しかっただけなんですが、巻末・巻頭にまたがってるので2冊買うハメに…
 
 
 
 う~ん、巷に溢れるバソンの噂は全てこのページ(とwiki)から広がっていると思うと、なかなか感慨深いものがありますね(笑)
 
 
 さて、この千秋先輩のセリフについては当ブログでも過去に物言いをつけましたが(2014年7月29日投稿『千秋先輩のウソつき~!』参照)、今回はこのページが世の中に広まっていく間にビミョ~に内容がズレたり、誤解されたりしてゆく様子を見てみたいと思います。
 
 
①「キーも多く完成度も高いファゴット…」

 キーが本当に多いかどうかは置いといて、面白い勘違いが起こっています!
 
まず「キーが多い」が「音が多い」にすり替わりました
「キーが多い」→「音が多い」→「音域が広い」と
どんどんすり替わってますね(笑)
他にもバスーンとバソンの混同や古楽器説まで
取り込まれて大変な事になってます…
これは逆パターン。「キーが少ない」→「穴が少ない」
そしてそれを補う為にハイブリッドな楽器に…
 
 う~ん、勘違いが勘違いを生んで最後には見たこともない新種の「何か」になってしまいましたね(笑) これじゃまるで未確認生物(UMA)じゃないですかぁ…(涙) 
 確かにそこいらのオケや吹奏楽団では見かけませんが、ちょっとネットで検索すればいくらでもホンモノが見られるこのご時世、何故こんなことになるのか不思議でなりません。実機使用者としては苦笑するしかありませんね


 ②「バロック時代からほとんど変わっていないバソンは…」 
 
 このフレーズ、楽器の歴史を知っている人なら「バロックファゴットの遺伝子を受け継ぐ直系の楽器」という意味で何とか納得するんですが、知らない人だと文字通り「バソンはバロック時代からそのまま使われている」と理解されちゃいますね。こんな短いフレーズから<バソン=古楽器説>がまことしやかに広まるなんて、ヒット漫画の影響力ってホント凄いですね!
 
 ヴィヴァルディの話なので、「この時代」ってバロック時代ですよね?
 
 何度も言いますが、俗にいう"バソン(フランス式・ビュッフェ式)"は19世紀後半以降のものです。バロック時代の話をしているのなら、4~6キーの楽器を思い浮かべなくてはいけません。
 
 ところでこのツイートって何の曲の事を言ってるんでしょうか?ファゴット協奏曲ならかなりの難曲ですが…
 
 


 右の写真はおそらくベーム式の試作品ですね。ヘッケルはフランス式を改良してドイツ式を作ったのではありませんし、ベーム式は全く別のチャレンジのはずです。この本は読んだこと無いんですが、ホントにそんな風に書かれてるんですか?
 何より残念なのは、この方プロのファゴ吹きさんみたいなんすよね~。ファゴットを専門で勉強されてた方ですらこの程度の認識かと思うと悲しい限りです…(-_-;
 
 

 
 このツイートは<バソン=古楽器説>以外にもてんこ盛りで面白いですね。「音の協調性がアレ」とか「吹奏楽は音色のバランスが取れない」とか、斬新すぎてついて行けません…(^^;ゞ
 
 「吹奏楽でバソンを使ってるのは見たことない」そうなので、お見せしときますね。ギャルドも知らずに吹奏楽を語るなんて、ツイートの信憑性がアレで…(笑)


はい、バソンですね~

 あとギャルドとは比べ物にもなりませんが、たま~に我が母校の定演にもバソン吹きが登場します。吹いてる奴は確かに“アレ”ですが、音色自体はそれほどでもないですよ…(笑)


2019.4.14 一部加筆変更しました