2016年3月4日金曜日

“オプション”考

 春が来ましたね…昨日から目の痒みとくしゃみが止まりません…(泣)

 さて春と言えば母校の定演。今年も参加すべく母校にお邪魔し、パート譜をもらってきました。
 

 やっぱ吹奏楽では「ファゴット」じゃなくて「バスーン」なんだなぁ(2011年4月14日投稿『ファゴットとバソンの違い』参照)、なんて思いながら見てると、ある楽譜に「(Option)」の文字が…
 
あぁ、これが吹部の子がよく話題にする「Option」かぁ…

 ネットで良く見かける、「オプション扱いでサガる~」とか、最終的に<吹奏楽にファゴットは不要論>(あるいはオーボエまで含めてダブルリード不要論)まで発展するヤツですね。
 
 
ファゴット不要派の意見としては…
 ①ファゴットが無ければ成立しない吹奏楽曲は無い
 ②どうせ聞こえない

ファゴット必要派の意見としては…
 ③有ると色彩感が違う
 ④オケ編曲モノには不可欠
 
…とまあ、要約するとこんな感じでしょうか?「不毛な論争だなぁ」と思うんですが、現役の子には結構重大な問題のようです。
 
 
 小人はオプション指定については単に『現実的な配慮(=優しさ)』だとしか思っていません。アマオケではファゴット奏者が居なければエキストラを呼びますが、スクールバンドではそうもいきません。そもそも楽器を持ってないバンドも多いので、無くても合奏が崩壊しないように書いておくのは『優しさ』なんだと思います(だから逆に「無くてもイイじゃん?」と言われてしまうんですけどね)。
 
 更に言うと「Option」と書きながらも、ちゃんとパート譜が用意されてるんだからイイじゃないですか!ホントにパート譜が無ければ、ユーフォやバスの楽譜を流用するか、“編曲”しなくてはいけませんからね。
 実質オプション扱いなのに「Option」と書かれていない場合も多く、申し訳なさそうに「Option」と書かれている方がかえって誠実な感じがします。
 
 昔、オケでモーツァルトの初期の交響曲を演った時に、ファゴットのパートがありませんでした。「まぁ、当時の演奏習慣からしてバスパートを重ねても良かろう」といって適当に吹いたんですが、こういうのが本当のオプションですよね。
 

 吹奏楽だろうがオーケストラであろうが「基本的な楽器編成」があるので、作・編曲者がそれに合わせて各パートを書くのは当たり前の話です。本当に欲しい音だけ書いてたら、ブランデンブルグ協奏曲みたいに曲ごとに勝手気ままな編成になるはずですよね?2管編成や3管編成できれいに揃っているのは<大人の事情>があるからです。…であれば「どうしても要る音ではないんですが、編成有るんでとりあえず埋めときました」的な部分があってもちっともおかしくはありません。
 
ハイドン:交響曲104番「ロンドン」終楽章より 
 これはハイドンの例ですが、管楽器はハーモニー、弦が交差してして走り回る中で、チェロにだけファゴットの<音色>を重ねる理由は(たぶん)ありません。なにより、これ完璧に吹いたらチェロと同化して聞こえません。「いや、音色が微妙に違う!」と仰る耳の良い方もいらっしゃるかもしれません。もちろん違うんでしょうが、「ハイドンが意識的にその音色の妙を狙ったか?」「ファゴットの有無で音楽が違って聴こえるか?」と問うならば、答えは「否」でしょうね。
 
 ちなみに小人はこの部分<自主落ち>しました。チェロに完全に乗っかる自信が無かったので…(汗)
下手に吹くと合奏を乱すけれど、完璧に吹いても全く吹かなくても結果がほぼ同じというトリッキーなオーケストレーション。ハイドンらしいと言えばらしいのかもしれません…(^^;ゞ
 
シュトラウス:「こうもり」序曲より
 
 同様の例はアマオケの定番「こうもり」序曲にも見受けられます。こんな盛り上がるところでよりによってトロンボーンと重ねるなんて…。「後ろの奴等コロス!」と思ったファゴ吹きは、絶対小人だけじゃないですよね?(笑)
 
 
 では最後に「作曲者に『現実的な配慮(=優しさ)』が無いとどうなってしまうのか?」の例を挙げておきましょう…
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」第2組曲より
Tuttiも吹かせてもらえない…アングレやバスクラでも
もっと吹いてます。酷過ぎです… p(T-T)q
 
 
あぁ、なんて悲しい… 「オプション上等!」 ですよね!?
 
 

2 件のコメント:

つのふえ さんのコメント...

お久しぶりです、記事はずーっと読んでましたよ!
蛇足ながら、仕事でロメジュリとつきあっているので、少しだけ。
バレエ全曲版ではtacetも少なくないとはいえ、美味しい出番は結構あるのです。ここぞというところでのソロもいくつか。

ですから、組曲として抜粋されたときに選ばれた曲が、たまたま出番が少ない曲ばかりだったか、
編成を縮小するにあたって(全曲版は3-3-3-3+tsx,6-3-3-1という大きめの3管編成なので)削られてしまったのかもしれませんね。
何にせよ、抜粋するにしてももうちょっと出番作ってくれてもいいような気がしますが…(笑)

大管小人 さんのコメント...

つのふえさま
 
どうも、お久しぶりです!
確かにバレエ版ではソロ以外にも多少吹かせて貰ってますね。
(ほぼバスクラかファゴットとユニゾンのようですが…)

小人閑居するとロクなことを考えないもので、色々と勘繰ってしてしまいます…(^-^;
①プロコフィエフが単に「俺様」だった
②サックス奏者との間に何らかの「確執」があった
(ブルックナーとファゴット奏者のような)
③実は誰かが持ち替える前提で書かれている
④ビゼー以来、オケでのサックスの扱いってそんなもの(泣)

…何にしろ慣らし吹き無しでどソロ吹かすなんて、サドに違いありません(笑)